俺はなんて卑しい奴なんだろう。
もうそんなことを思って最近落ち込んでる。
この前、街でサラリーマンの人と肩ぶつかちゃって。
自分が携帯いじりながら歩いてたのもあるんだろうけど、 それで凄い剣幕でガーって色々言われたもんだから、
「もういいですよ!もう煮るなり焼くなり好きにしてくださいよ!」って言っちゃって。
なんて卑しい奴なんだ俺は。
「煮るなり焼くなり好きにしろ」ってなに自分を少し美味しく食べてもらおうとしてんだよ。
まぁそのあとサラリーマンの人も「てめえ焼き殺すぞ!」って言って俺を美味しく食べる気満々だったけどさ。
でもそのときハッと気付いて、そのときだけじゃなくて、もしかすると、今までも俺は自分を美味しく食べてもらおうとしてた卑しい奴だったんじゃないかって。
あのときも、またあのときも美味しく食べてもらおうとしてたんじゃないのかって。
中学生のころかな。好きな子に告白してフラれたんです。そのときにね。周りにそのことをからかわれたときに僕言ったんです。
「もう十分傷ついてるんだから、傷口に塩を塗るようなことやめろよな。」って。
いやいやいや。なに塩で味整えて、傷口を美味しく食べてもらおうとしてんだよって。
こんなときに味整えて、お前全然傷ついてないじゃんって。
あと、これは高校生のときかな。このときも告白してフラれたんです。でもこのときは絶対あの子お前のこと好きだからって言われて告白したんです。だから僕こう言ったんです。
「おい話が違うじゃん。よくも俺の顔に泥を塗って、その上にバターをのせてレンジでチンするようなまねしてくれたな。」って。
いやもう美味しく食べてもらう気満々じゃんって。
泥の味をバターでまろやかにしようとしてんじゃんって。
泥が嫌いなお子様にも大丈夫みたいな主婦のアイデア発揮しちゃってんじゃんって。
ほんとに俺は昔からずっと卑しいヤツだったんだなって。
今度は大学生のころですかね。高校生のときに告白した子にもう一回告白したら案の定フラれたんです。
そのときに僕こう言ったんです。
「同じ子にまたフラれちゃったよ。こんなの恥の上に恥を塗った挙句、さらにその上にチーズをのせて、アルミホイルを敷いた上でオーブンでチーズがカリカリになるまで焼いちゃったら、もうこんなの「恥の上塗りカリカリチーズのせ780円」の出来上がりだよ…。 」って。
いやもう確信犯じゃん。
780円って結構な値段で売り出そうとしてんじゃん。ランチじゃん。
もう美味しく食べてもらおうっていう気持ちがシェフの域まで達してんじゃんって。
思い返してみると、やっぱりなんでも美味しく食べてもらおうとしてた自分がいて。
それでこう思ったね。
美味しく食べてもらおうとしてるとか言う以前に俺フラれすぎだろ!!
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